1. 英文レジュメとは?日本の履歴書との違い
英語で書く履歴書、つまり「英文レジュメ」は、主に海外企業や外資系企業への応募時に必要とされる書類です。日本国内で一般的に使われる「履歴書」とは、その形式や記載内容にいくつか大きな違いがあります。まず、日本の履歴書は定型フォーマットが存在し、学歴や職歴、資格、顔写真などを時系列で簡潔にまとめることが主流です。一方、英文レジュメは自由度が高く、自分自身の経験や強みを採用担当者にアピールするための「自己PRツール」としての役割が強調されます。また、英文レジュメには顔写真や生年月日、性別などの個人情報を記載しないことが一般的です。これは多様性や公平性を重視する欧米文化の影響によるものです。そのため、日本式履歴書に慣れている方ほど、英文レジュメ作成時にはこの違いを理解し、「何を書くべきか」「何を書かないべきか」を意識することが重要となります。
2. 英語レジュメの構成と必須項目
英語で作成する履歴書(英文レジュメ)は、日本の「履歴書」とは異なり、職務経験やスキルに重点を置いた構成が求められます。海外企業では応募者の即戦力や成果、具体的な貢献度が重視されるため、情報のまとめ方やアピールポイントにも工夫が必要です。
英文レジュメの基本構成
| セクション | 内容 |
|---|---|
| Contact Information (連絡先) |
氏名、電話番号、メールアドレス、LinkedInなど。日本では住所を書くことが一般的ですが、英文レジュメでは省略しても問題ありません。 |
| Summary (サマリー/要約) |
自分の強みや経験を2~3行で簡潔にまとめる部分。海外では「Objective(志望動機)」よりもSummaryが主流です。 |
| Professional Experience (職務経歴) |
会社名、役職、勤務期間、具体的な業務内容と成果を箇条書きで記載します。数字や実績を盛り込むことで説得力が増します。 |
| Skills (スキル) |
業務に関連するスキルや資格をリストアップします。ITスキルや言語能力など客観的に評価できるものを中心に記載しましょう。 |
| Education (学歴) |
最終学歴から記載し、学校名・学位・専攻・卒業年を明記します。 |
| Additional Information (追加情報) |
ボランティア活動、受賞歴、特筆すべきプロジェクトなど任意で記入できます。 |
注目すべきポイント
- 時系列:英文レジュメは基本的に最新の経歴から順番に記載する「逆時系列」が一般的です。
- 成果ベース:担当した業務内容だけでなく、「売上○%UP」「コスト△円削減」など具体的な成果を数字で示すことが重要です。
- 簡潔さ:1~2ページに収めるのが一般的であり、冗長な説明は避けて要点を絞ることが求められます。
- 日本との違い:年齢・性別・写真・家族構成など個人情報の記載は不要です。また、「自己PR欄」よりもSummaryやスキル欄で自身をアピールしましょう。
まとめ
英文レジュメは「どんな経験を持ち、それによって何を達成したか」を明確かつ簡潔に伝えることが重要です。日本向けの履歴書とは異なる点を理解し、グローバル基準に合わせた内容構成と表現方法を心掛けましょう。

3. 日本向けレジュメ作成時の注意点
日本企業や国内外資系企業に応募する際、英文レジュメでも日本独自の文化やマナーを意識した書き方が重要です。ここでは、日本向け英文レジュメで気をつけたいポイントや避けるべき表現、そしてローカルルールについて解説します。
日本企業で重視されるフォーマットと内容
欧米式の自由な書き方とは異なり、日本ではある程度決まったフォーマットや構成が好まれる傾向があります。たとえば、氏名や連絡先、学歴・職歴は時系列で記載し、最新のものから順に書く「逆時系列」スタイルが一般的です。また、「志望動機」や「自己PR」など、日本特有の項目も盛り込むことを求められる場合があります。
過度な自己アピールは控えめに
欧米では積極的な自己アピールが評価されますが、日本企業の場合は「チームワーク」や「協調性」、「謙虚さ」といった姿勢も大切にされています。自分の実績を述べる際も、周囲との協力や組織貢献を強調しましょう。また、「私はリーダーシップがあります!」と断言するよりも、「プロジェクトでリーダー役を経験し、チーム全体の成果向上に努めました」のような表現が好印象です。
避けるべき表現やNGポイント
日本向けの英文レジュメでは、過度にカジュアルな言葉づかいや曖昧な表現、「I think」「maybe」「probably」など、自信のない言い回しは避けましょう。また、前職の批判やネガティブな理由で転職したことを書くのもマナー違反です。数字や具体例を挙げて客観的に実績を示すことも重視されます。
ローカルルールと細かな配慮
提出するファイル名にも気を配り、「Resume_Name_Date.pdf」のようにわかりやすく命名しましょう。写真添付は不要ですが、求められた場合はビジネス用の証明写真を選びます。また、日本語・英語併記(バイリンガルレジュメ)を希望されるケースもあるため、事前によく求人情報を確認してください。
4. 自己PR・職務要約の書き方のコツ
英文レジュメにおいて、自己PR(Self-Introduction)や職務要約(Summary of Qualifications)は、自分の強みや実績を端的かつ具体的に伝える重要なパートです。日本の履歴書では「謙遜」や「周囲との調和」が重視されがちですが、英語で書く場合は、自信を持って自分の成果をアピールする姿勢が求められます。この文化的な違いを理解しないと、採用担当者に自分の価値が正しく伝わらないことも多いです。私自身も最初は控えめな表現を使ってしまい、面接時に「もう少し具体的な成果や数字が知りたい」と指摘された経験があります。
英語での効果的な表現方法
自己PRでは、「I am」「I have」「I achieved」など主語を明確にしてから、自分の役割や成果を具体的に述べることがポイントです。また、可能であれば数値や具体例を使うことで説得力が増します。以下は日本人がつまづきやすい表現と、英語で効果的に伝えるための例です。
| 日本語でよくある表現 | 控えめすぎる英語表現 | 効果的な英語表現 |
|---|---|---|
| チームワークを大切にしています | I try to work well in a team. | I led a team of 5 members and successfully completed a project ahead of schedule. |
| 営業成績が良かった | I had good sales results. | I exceeded my sales target by 120% for three consecutive years. |
| 責任感があります | I think I am responsible. | I managed multiple projects simultaneously and ensured all deadlines were met. |
日本向けの注意事項と体験談
私自身も初めて英文レジュメを書いた時は、日本語で使うような曖昧な表現をそのまま英訳してしまい、自分の強みがぼやけてしまいました。採用担当者は「何を」「どれくらい」「どうやって」達成したか、具体性やインパクトを重視します。特に日本人は「自分だけの功績」を強調することに抵抗を感じる方が多いですが、英文レジュメでは個人の実績を明確に打ち出すことが重要です。もしチームで取り組んだ成果でも、自分の貢献部分をしっかり記載しましょう。
まとめ:ポイントのおさらい
- 主語を明確にし、「I」で始める文章構成にする
- 数字や具体例を積極的に盛り込む
- 控えめな表現ではなく、積極的かつ自信を持ってアピールする
- 日本独特の曖昧さは避け、簡潔かつ論理的にまとめる
これらのポイントを意識することで、海外企業や外資系企業への応募時にも自分の魅力がより効果的に伝わります。
5. よくあるミスと改善ポイント
日本人が犯しやすい英文レジュメの間違い
多くの日本人が英文レジュメを作成する際、「和製英語」を使ったり、日本語の履歴書のスタイルをそのまま英訳してしまうことがよくあります。例えば、「self-introduction」や「hobby」など、海外では一般的でない見出しを使ってしまうケースです。また、職務内容の説明が曖昧だったり、実績が数字や具体例で示されていないこともネガティブに評価されがちです。
採用担当者から見たネガティブな例
例えば、「I was responsible for sales」という表現だけでは、どのような成果を上げたか伝わりません。さらに、「team player」「hard worker」など抽象的な表現のみで終わっている場合も、印象に残りません。海外の採用担当者は、具体的な結果(売上○%増加、プロジェクト完了までの期間短縮など)を重視しますので、数字や行動ベースでアピールする必要があります。
改善方法とポイント
- 職務内容や成果はできるだけ具体的に数値化し、簡潔にまとめる。
- 和製英語や日本独自の表現は避け、グローバル基準に合わせた用語を使用する。
- 「責任」よりも「実績」に焦点を当て、自分がどんな価値を提供したかを書く。
まとめ
英文レジュメでは「何をしたか」「どう貢献したか」を端的に伝えることが大切です。日本式の慣習にとらわれず、グローバルな視点から自己PRや実績を明確に書きましょう。
6. まとめ・日本独自の応募書類との併用アドバイス
英語で書く履歴書(英文レジュメ)を日本企業へ提出する場合、単に英文レジュメだけでなく、日本特有の「履歴書」や「職務経歴書」との併用が求められることが多いです。ここでは、そのバランスと実務的な応募時のポイントについてまとめます。
英文レジュメと日本式書類の違いを理解する
まず、英文レジュメはスキルや成果を強調し、自分をPRするスタイルが主流ですが、日本式の履歴書や職務経歴書はフォーマットが定型化されており、学歴や職歴、資格など事実ベースの記載が重視されます。両者の違いを理解し、それぞれに求められる情報を正確に準備しましょう。
応募先の指示に従うことが重要
企業によっては英文レジュメのみでOKの場合もありますが、多くの場合、「履歴書」「職務経歴書」も併せて提出するよう求められます。募集要項や人事担当者からの案内をよく確認し、必要な書類を漏れなく揃えることが大切です。また、日本語と英語両方で同じ内容を書く際は、表現や数字などの一貫性にも注意しましょう。
アピールポイントは書き分ける
英文レジュメでは成果や具体的な実績、リーダーシップなどダイナミックなエピソードを書くことが推奨されます。一方、日本語職務経歴書ではチームでの役割やプロセスも重視されるため、その点も加味して記述すると好印象です。
最終チェックと提出方法
すべての応募書類は、誤字脱字や情報の不一致がないか必ず確認しましょう。提出時にはPDF化してファイル名やメール件名にも配慮すると、よりビジネスパーソンとして信頼感を持たれます。
英語で作成したレジュメと日本独自の応募書類、それぞれの特徴を活かしつつ、応募先企業への丁寧な対応を心掛けましょう。これが転職・就職活動成功への第一歩となります。
